「リアル」の人がつくる「バーチャル大阪」

お話を聞いた人

  • 宮原広志さん
  • 宮原広志さん

    広島県出身。2008年博報堂に新卒で入社。東京で6年半営業として経験を積み、2014年に入社以来志望であったクリエティブ部門に異動。アクティベーションプランナー、アクティベーションディレクターとして様々な企業の広報活動における統合コミュニケーションのディレクションに取り組んでいます。

    この春からは関西支社に異動。そこからバーチャル大阪プロジェクトに取り掛かっております。

「バーチャル大阪」構想のきっかけについて

「リアル」の人がつくる「バーチャル大阪」

バーチャル大阪の誕生は、バーチャル空間を活用した大阪の魅力創出・発信にかかる公募がきっかけです。博報堂、KDDI、吉本興業の3社で共同企業体を組みこの公募に参加しました。

そこで誕生したのがこの都市連動型メタバース「バーチャル大阪」、2021年12月にプレオープン、2022年2月28日に本格的に稼働開始しました。現在はエントランス・新市街エリア・イベントエリアなど数エリアが開放されております。これから逐次拡大していく予定です。

バーチャルだけに囚われず、バーチャルとリアルが補い合い、互いを良くしていこうという思いのもと取り組んでいます。

バーチャル上で街を再現しながらエリアを拡大し、その中でリアルとバーチャルでできる取り組み、例えば地域の活性化などを検討中です。

「M-1」がバーチャル!?リアルとの垣根をなくした取り組み

「リアル」の人がつくる「バーチャル大阪」

これまでの主なイベントを順にご紹介させていただきます。

 

◇M-1グランプリバーチャル会場


2021年12月19日に開催された昨年度の漫才頂上決戦『M1グランプリ』、TVでも放送されていましたが、同時にバーチャル大阪のイベントとしても開催しました。

視聴環境がない方でもネット環境さえあれば、アバターを着てイベントに参加し、パブリックビューイングでM-1視聴を楽しむことができます。

このイベントで一つの取り組みとして、ゲストとしてミルクボーイさんにMCを務めていただき、バーチャル空間内で2頭身アバターで登場させた。リアルという場所の概念を越え、ミルクボーイさんがバーチャル空間でMCをしたり、裏実況をしたり、さらにバーチャルの「体」で漫才を披露しました。これらの体験をアバターを通じて楽しめるようなコンテンツです。

「リアル」の人がつくる「バーチャル大阪」

VITUAL MUSIC LIVE in バーチャル大阪


2022年3月12日(土)に開催したライブイベントです。auじぶん銀行さん協賛での複数名VTuberを起用したLiveイベントです

YouTubeでの個人視聴ではなくバーチャル空間に人が集まって行うライブイベントになっており、バーチャル大阪を通して、よりリアルLiveでの一体感を味わう為にアップデートさせたイベントです。

出演したゲストはバーチャルアーティスト波羅ノ鬼さん、「ユイしあ」でお馴染みのバーチャルアイドル二人組結目ユイさん、水瀬しあさん、VTuberファンやバーチャルファンからも大きな反響を得られました。

cluster利用者などバーチャル・メタバース空間が好きなVTuberのファン層を取り込んで、大阪の魅力を届けることができました。

「リアル」の人がつくる「バーチャル大阪」

◇旅立つ 君との超応援祭


2022年3月25日(金)に開催した、歴代auCM楽曲アーティストやその他豪華ゲストが登場するバーチャルライブ。

新型コロナウイルス感染症の拡大により、様々な活動や発表の場が制限されたり、友達や仲間とのつながり方も一変する中で、卒業や新成人の引き下げなど「旅立ち」のタイミングを迎える学生・若者に向けて、青春の思い出を楽しみ尽くして欲しいという思いから超応援祭を企画・実施しました。

コロナ禍においてリアルでなかなか集まることが出来ない中だからこそ、仮想空間という「場所」を用意し、みんなで一体感を持ってそれぞれの思い出を振り返り、楽しむことを目的にメタバース上で課題解決型のイベントを行いました。

バーチャル化させるランドマーク選びについて

「リアル」の人がつくる「バーチャル大阪」

いままで、バーチャル大阪で登場した「ランドマーク」の選び方については、大阪市内のランドマーク且つ、世界的にも認知があるものを大阪府、大阪市さんと協議の上、現在は道頓堀・大阪城・海遊館などを実装しました。ただ今後は、大阪にあるが、あんまり知られていないような場所も実装し、バーチャル大阪をきっかけにより多くの人に大阪という街を幅広く知ってもらえればと思います。

メタバース空間の制作・再現については、街に入ると道頓堀のひっかけ橋はリアルに再現していますが、その先はファンタジーなのです。

例えばバーチャル渋谷などは、全く同じ街を作るコンセプトのもと制作されていると思いますが、バーチャル大阪はそうではなく、「リアルとファンタジーを入り乱れた状態で街を作るとどうなるのか」という挑戦をしています。

街をありのまま再現するというのも一つの意義ではあると思いますが、我々としては、バーチャルだからこそできる「表現」という部分については、メタバースだからこそ挑戦できる分野だと思っております。

大阪城の隣に海遊館が並んでいたり、大阪城の頂上から新市街を眺めたら、スカイビルが見えたり、バーチャル大阪の街の構築上、リアルの地理位置と比べて「めちゃくちゃ」なことになっています。ランドマークを使い、「これ大阪だよね」と利用者に認識していただけるように考え、制作しております。

なにより現実だと「見れない」空間が「見れる」ことはバーチャル大阪の一番の魅力だと思っております。

2022年2月に「バーチャル大阪」正式運用。その反響は・・・

とてもいい意味で「大反響」です。

運用開始時に企業さんも街の人も「みんなで一緒に作っていきましょう」と投げかけをしたところ、ありがたいことに多くの企業様からバーチャル大阪について教えてほしいと問い合わせを頂きました。

また一般の方々からはTwitter上で「#VOsakaVoice」をつけて、バーチャル大阪で撮影した写真だったり、「このようにしてほしい」の意見だったりなど、さまざまなお声を頂けております。

皆様のおかげでまだまだ、今後もバーチャル大阪を使ったプロジェクトを発表できると思いますので、楽しみにしていて下さい。

「リアル大阪」と「バーチャル大阪」。そのすみ分けとは?

「リアル」の人がつくる「バーチャル大阪」

実はバーチャル大阪の大阪城と海遊館はただ眺めるだけではなく、この緑の足場を踏んで、頂上へ登ることができるミニゲームのような「ギミック」があります。

これらはランドマーク選び以外で、バーチャル大阪とリアル大阪の棲み分けの一つですが、リアルではできない表現や見れない風景が見れるなど空間を切り取ることができる部分が魅力的だと思っています。

リアルをそのまま再現するならリアル解剖感が出てしまいますが、それとは別の軸で体験を拡張できることがバーチャル大阪の魅力であり楽しみ方だと思っております。

仕掛けのギミックに関してもランドマークに登るであったり、この角度から見たい、大ジャンプをして景色を上から見るなどは、リアルでは実現できないからこそ体験したいという想いをバーチャル上で実際に体験できるようにギミックを使い反映させました。

実際に大ジャンプすると絵になるので、ぜひ切り取ってSNSにシェアしてみて下さい。笑

もう一つバーチャル大阪とリアル大阪の棲み分けですが、大阪に物理的には来るにはハードル高い中、ネット環境さえあれば全国どこからでもアクセスできる点でのアクセス心理はバーチャルの方が低いので、まずはメタバース上で大阪という街を疑似体験をしていただきます。そして道頓堀はこんな感じなんだとか、バーチャル大阪で体験し魅力に気づいていただき、実際に大阪に来ていただくことがゴールだと思っております。

今後のバーチャル大阪:バーチャル空間であっても「人」が主役

「リアル」の人がつくる「バーチャル大阪」

今後注力したいポイントについて、主観的な話になりますが、結局は「街」と言うのはその「場所」と「人」じゃないですか、「空間」があって、そこに「人」が居る。それが街の特色になっていく思っております。

私は、広島県出身なので広島という街が自分のもののような感覚があります。大阪の方々にもバーチャル大阪を「ジブンゴト化」し、地元大阪の方々や大阪以外の方も含めてみんなで作っていける「街」になれれば良いなと思っております。

もちろん街の景観やランドマークといったハード部分を作るのは我々メタバース空間を作る人の仕事ですけど、「人」が街の一部だと思うので「人」が「バーチャル大阪」というメタバース空間に入ってきて、はじめて街として成立すると考えております。

例えばメタバース空間での物々交換であったり、店を作って物を販売できるようになったり、誰かと話しがしたい時は気軽に入れる空間だったり、知人同士で集まる場所だったり、「人」と「人」同士の交流も加速されたり、と「人」が主役になっていくと思っております。

今は空間を作った段階ですので、もっともっと皆さんにご参加頂き、みんなが「自分の街」として愛着を持って頂ければと思います。

さいごに・・・ご覧の人へ一言

「リアル」の人がつくる「バーチャル大阪」

ズバリ「若者よ、外に出ろ!」です。笑

ここまでバーチャルの話をたくさんしましたけれども、一つ言いたいことは、リアルの世界に出て色々なものを見て、体験して触れるからこそバーチャルの世界を作れると思うんです。

バーチャルだけで体験するよりリアル世界で自分の五感で感じて知ることが大切だと思っております。バーチャルでもリアルでもこの世界を感じて、楽しんでください。

「バーチャル大阪」は今後も「リアル大阪」の魅力を伝えずつ、リアル大阪と補い合い展開していきます。どうぞご期待ください。

▼バーチャル大阪 公式サイト

https://www.virtualosaka.jp/

▼バーチャル大阪-Virtual Osaka Twitterアカウント

https://twitter.com/virtual_osaka

 

▼バーチャル大阪はClusterアプリから下記ダウンロードリンク

〈App Store〉

https://apps.apple.com/app/id1490075175?mt=8&l=ja

〈Google Play〉

https://play.google.com/store/apps/details?id=mu.cluster.app&referrer=adjust_reftag%3DcQGzp1Th3lL40%26utm_source%3DCR_welcome_android%26utm_campaign%3Dtop

 

▼取材協力

博報堂 HAKUHODO Inc.

https://www.hakuhodo.co.jp/

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